ミハル。
私がガンダムの中で最も印象的だと思う場面はミハルの死である。
ローレライの原作者の福井晴敏も、
ガンダムで最も印象に残るシーンにミハルの死をあげている。

話の進行に大きな影響も与えず、
出演しなくてもいい人物にもかかわらず、
とても悲しい死に方をしている。
実際の戦争では、多くの人がこのような戦局に全く関係ないところで、
死亡すると考えられるため、戦争のリアル感が出る印象的な場面だと言っていた。

同感である。

しかし、こんな救いようのない悲しい話作るなよって感じだよ。
ここでミハルの死にいたるまでの行動をまとめることにする。

まずミハルの両親は戦争で亡くなり、
ミハルは行商とスパイ活動をすることで、
なんとかジル(弟)とミリー(妹)の三人で生活することができていた。

そこに、ホワイトベースが着艦し、カイと出会うことになる。
カイが軍人生活に嫌気をさし、ホワイトベースを降りたときに、
ミハルが諜報活動の一環としてカイを家に泊まらせることになった。
そこで、ミハルが弟と妹を養うために仕方なくスパイ活動をしていることを知り、
わざとホワイトベースの離陸時間と右エンジンが故障していることを教える。
その情報をジオン軍に報告すると、ホワイトベース内に潜伏し行き先を調べることを命じられる。

カイがミハルに情を持ち、情報を与えたことが悲劇の始まりだと思う。
この情報により、ミハルが使えるスパイになってしまい新たな任務を与えられてしまったからだ。
いつも一言多い彼が珍しく気を利かせたのにね…。とても歯がゆい。

その後、ミハルがホワイトベースに潜入するも、カイに発見されてしまう。
ミハルの事情を知るカイは気を利かせ、
目的地の南米で降ろすために自分の部屋にかくまうことにする。
そんな中で、ミハルはジオン軍にホワイトベースの行き先を教えてしまい、
ジオンの攻撃をうける。
ミハルが自分の情報で、
ホワイトベースが攻撃を受けていることに責任を感じ戦うことを直訴する。
カイはミハルを止めるが、
ガンペリーの爆撃手がいないのでミハルを爆撃手としてガンペリーを出撃させる。
ガンペリーが敵の攻撃を受け、
電気回路がやられミサイルが飛ばせなくなったために、
ミハルがミサイルを飛ばすためにカタパルトわきのレバーを押すが、
ミサイルの爆風により機体から投げ出されて死んでしまう。

もしカイと出会わなかったら、カイが情報を教えなかったら、ホワイトベースでカイ以外の人に見つかってたら、ガンペリーの爆撃手がいたら、ガンペリーの電気回路がこわれなかったら…、誰にも非がなくすべての行動が裏目になってしまっている。本当に救いようのない悲しい話である。

しかしジオン軍では、ジオン兵とのやりとりでシャアが、
「スパイの情報どおりだな、逃がすな。」
の一言で片付けられている。
ホワイトベース潜伏を命令してそれだけかよ。
この一言が戦局に関係ない死であることを象徴していてとても悲しい。

ホワイトベースに帰還後、ミハルの死を知ったカイはその悲しみを誰にも分かち合うことができずにただ死を悲しむことしかできない。
見てられないぐらいに寂しく悲しい姿だ。

最後の回想シーンで、
「あんたと会えてよかったと思うよ。ジルとミリーかい?はははっ、あの子達なら大丈夫さ。私達よりずっとうまくやっていけるって。いつまでもこんな世の中じゃないんだろ?ね、カイ」
とミハルが話しているのを聞くと救われた気持ちにはなるが…。

ジルとミリーはZガンダム外伝のフォウストーリーで、ミハルの思いに反する形で登場する。

ホワイトベースが飛び立ってから、
いつまで待ってもミハルは帰らず、
ジルとミリーは借家を追い出される。

たよる親戚もなく、靴磨きなどをして各地を転々としていたが、
ある朝、ミリーが誘拐されてしまう。

ジルはミリーを探すが見つからず、
その日暮らしの生活をつづけていると、
ニュータイプを研究するムラサメ研究所の存在を知り、
自分がニュータイプとなり、この世の中を変えたいと思い、
自ら志願し、被験者(モルモット)となる。

ムラサメ研究所内に、被験者が三人《NO.4 フォウ・ムラサメ NO.5 ジル・ラトキエ NO.6 アマリ・ガーフィールド》いて、
約一年間にわたり、様々な実験をおこなっていた。
エゥーゴとティターンズの戦争が始まり、
サイコガンダムの実用化のために、
人体実験をしなくてはならないことになった。

そのことをジルが知り、(研究所の陰謀により知らされた。)
他の二人をかばい、人体実験を志願する。

その実験は、データーを取るためだけにおこなわれ、
ジルは死亡する。

そのデーターにより、サイコガンダムが完成し、
フォウが乗り、ホンコンで戦闘を始める…。

このようにジルとミリーはミハル以上に悲しい死に方をしている。
ミハルよりも話の進行に大きな影響も与えず出演しなくてもいい人物なのに…。
こんな話だったらわざわざ作るなよって抗議したくなるぐらいに悲しい…。
…と今までミハルについて述べていたが、悲しいとしか表現の仕様がない。

そんなガンダムファンの声が届いたのか知らないが、
ファーストガンダムを今風にアレンジしている機動戦士ガンダム THE ORIGINでミハルの話がなくなったことがせめてもの救いである…。
[PR]
by domitol3.0 | 2005-04-17 01:28 | ガンダム。
<< うちまくり。 レーシング・ストライプス。 >>